オリーブオイルは高血圧/悪玉コレステロール/血糖値対策に効果がある? 

オリーブオイルは健康に良いことで有名ですが、どんな効果があるのかご存じでしょうか?

今回は、オリーブオイルの栄養素が、高血圧悪玉コレステロール血糖値に良い効果があるのかどうかご紹介したいと思います。

※ここでいう「オリーブオイル」とは、エクストラバージンオリーブオイルのような、オリーブの実を絞って得られたオイル(精製されたオイルは含まれていない)で酸度の低いもの(1%前後のもの)を指します。

ピュアオリーブオイルといわれるような、精製されたオイルが混ざっているものでは同じ効果は期待できない可能性がありますのでご注意ください。

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オリーブオイルと高血圧と悪玉コレステロール

まずは、高血圧の成り立ちや悪玉コレステロールの特徴についてご説明します。

高血圧とは?悪玉コレステロールとは??

血圧とは、簡単にいうと、血液が血管の内壁を押す力(圧力)のことです。

高血圧とは、血管が硬く、弾力がないため、正常な状態よりも血管の壁を押す力が強いことを指します。

※硬いゴムボールをへこませるときに強い力が必要なように、硬くなった血管を押すには強い力が必要になります。




なぜ血管が硬くなってしまう?

理由の1つとして、血中の悪玉コレステロールが多いことが挙げられます。


「血管の硬さと悪玉コレステロールがどういう関係?」と疑問を感じていると思いますので、

順を追って簡単にご説明しますね。


【血液中に悪玉コレステロールが増えたら…】

① 血液中に悪玉コレステロールが増えると、悪玉コレステロールは血管内の細胞に入り込みやすくなる性質があります。


② 血管内の細胞に入った悪玉コレステロールは酸化し、体に悪質なものとなります。


③ 酸化した悪玉コレステロールは、体の免疫細胞(マクロファージ)によって食べられますが、、、



④ 悪玉コレステロールを食べたマクロファージが死骸のような形で血管内の細胞の内にとどまってしまい、

これが集まることで血管を硬くしていくのです。

以上が血液中に悪玉コレステロールが増えた場合に血管が硬くなってしまう原理です。

つまり、血液中の悪玉コレステロールを減らすことで、高血圧になるリスクを減らすことが期待できます

なお、高血圧の状態が続くと以下のような問題があります。
・血管が傷みやすくなる
 ⇒動脈硬化の要因となり、脳梗塞や脳出血の発症リスク増
・心臓に負担


■参考
なお、善玉コレステロールは、悪玉コレステロールを食べた後のマクロファージの死骸を肝臓へ送る働きがあります

血液中の善玉コレステロールを増やすことで、血管が硬くなるのを防ぐ効果が期待できます

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オリーブオイルは高血圧や悪玉コレステロールの減少に効果がある?

ここでようやく本題です。

オリーブオイルが悪玉コレステロールの減少(=高血圧になるリスクの低減)に効果はあるのでしょうか?

悪玉コレステロールの減少に効果が期待できる成分

オリーブオイルの成分のうち、悪玉コレステロールの減少に効果が期待できる成分をご紹介します。

  • オレイン酸(オリーブオイルの主成分)
    悪玉コレステロールを減らす効果があるといわれています。
    (善玉コレステロールは減らさない)

  • ポリフェノール、ビタミンA、ビタミンE
    抗酸化作用があるため、血中の活性酸素(酸化の原因になるもの)を取り除いてくれます
    つまり、悪玉コレステロールが酸化しにくくなる環境づくりに役立ちます。

  • β-シトステロール
    腸からのコレステロール吸収を防ぎ、血中の悪玉コレステロールの割合を下げる働きがあるといわれています。


以上がオリーブオイルの成分のうち、悪玉コレステロールの減少に効果が期待できるものです。

オリーブオイル1つで、悪玉コレステロールの減少に多方面からアプローチできることがおわかりいただけたかと思います。


なお、悪玉コレステロールが多い人は1日あたりスプーン2杯(25g)のオリーブオイルの摂取が有効との報告がありますので、参考にしてみてください。(報告元:アメリカのFDA(食品医薬品局))

※だからといって単にオリーブオイル25gの摂取を増やすと脂質摂り過ぎになる可能性があるため他の油と置き換えるなど、調整してくださいね。

■参考記事
>>オリーブオイルをそのまま飲むのは危険?効果や注意点、おすすめのオイルを紹介!

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オリーブオイルと血糖値

続いてはオリーブオイルと血糖値についてご説明します。

まずは「血糖値が上がるとはどういうこと?」「高血糖の何がよくないの?」という疑問にお答えします。

血糖値とは?

血糖値とは、血液中のブドウ糖の量のことです。

ご飯やパンなどの炭水化物は、消化されるとブドウ糖に変換されますが、

このブドウ糖が血液中に取り込まれたときに血糖値は上がります。

血液中に取り込まれたブドウ糖は体中の細胞にエネルギー源として渡されます。

これによって血糖値は下がります。


ブドウ糖をエネルギー源として渡せる量は決まっているため、血糖値が高いと渡しきれない場合があります。

このとき余ってしまったブドウ糖は、中性脂肪に変換され、脂肪として体に蓄えられます。

つまり、食後に高血糖になるような食事は、体に脂肪を貯め込むことにつながります。

他にも、食後高血糖はがんや認知症のリスクを高めるという研究結果もあります。


食後高血糖以外に、血糖値の急上昇・急降下にも注意すべきです。

血糖値は、炭水化物だけを食べたり炭水化物を食べ過ぎるなど、食事内容によって急上昇することがあります。

急上昇した血糖値はのちに急降下しますが、

このような血糖値の急上昇・急降下は、血中に“活性酸素”という物質を発生させます。

活性酸素は、血管内皮細胞を傷つけるなどで血管を老化させ、動脈硬化を引き起こすといわれています。

血管の老化は全身の病気だけでなく、シミ、シワ、白髪など見た目の老化にもつながります



このため、食後高血糖や食後の血糖値急上昇を防ぐことは、健康維持に効果があると考えられます。

血糖値を下げる働きをするインスリン

引き続き、血糖値をコントロールするホルモンである“インスリン”についてご説明していきます。



血液中のブドウ糖を体中の細胞に渡したり、余ったブドウ糖を中性脂肪に変換する役割をしているのが、“インスリン”です。

インスリンは、血糖値が上がると分泌され、上がった血糖値を平常値まで下げるように働きます。

例えば食べ過ぎなどで血糖値が大幅に高まったとき、インスリンは過剰に放出されます。

そして大幅に高まった血糖値を平常値まで下げるように働くのですが、インスリンがたくさん放出されるということは、

それだけたくさんブドウ糖を中性脂肪に変換させるということでもあり、血糖値が急降下するということでもあります。

このため、インスリンが過剰に分泌されないように工夫することが大事になります。


なお、インスリンは血糖値の上昇に伴って分泌されますので、血糖値が急上昇しなければ、インスリンも過剰分泌されずに済みます。

つまり、血糖値が急上昇しないように対策することもインスリンの過剰分泌防止につながります。




では、オリーブオイルには血糖値急上昇やインスリン過剰分泌を抑える効果があるのでしょうか?

オリーブオイルには血糖値急上昇やインスリン過剰分泌を抑える効果はある?

結論から述べると、オリーブオイルには血糖値急上昇やインスリン過剰分泌を抑える効果はあるといえるでしょう!

これはオリーブオイルがもつ以下の効果によるものです。

  • 胃内容物の排出時間遅延作用
  • インスリン感受性の増加作用

これだけではなにもわからないと思いますので、1つずつ説明しますね。

オリーブオイルによる胃内容物の排出時間遅延作用について

まず、”胃内容物の排出時間”というのは、食べたものが胃の中から小腸に排出されるまでの時間のことです。

ざっと分類すると、以下の通りです。

・野菜:1-2時間
・炭水化物(米・パンなど):2-4時間
・タンパク質(肉・魚など):4-6時間
・脂質(油、スイーツなど):7-8時間

※調理法や食品の組み合わせで変わります


上記を見てわかるように、オリーブオイルのような脂質は、一緒に摂取する食品の胃排出時間を遅延させる特徴があります。

このため、パンを食べる時はパンのみで食べるよりはオリーブオイルをつけて食べる

ご飯のみを食べるのではなくチャーハンにして食べる方がゆっくり消化されるため、血糖値の上がり方もゆるやかになります。
(=インスリンの過剰分泌が防げます)



胃排出時間の遅延についてはオリーブオイル特有の話ではなく油脂全体の話となりましたが、

パンやご飯など血糖値を上げる食品を食べる際には

油脂を一緒に摂取すると血糖値の上昇をゆるやかにすることができる、ということです。

なお、パンにつけるならバターでもいいのでは?と思われるかもしれませんが

バターは、もともと乳化した状態であることから食用油脂の中で最も消化が良いと言われているため、

オリーブオイルのほうが胃排出時間を遅らせることができます。

オリーブオイルによるインスリン感受性増加について

続いて2点目の”インスリン感受性増加”についてです。

”インスリン感受性”というのは、”インスリンの効きやすさ”というような意味です。


インスリン感受性が低い = 血糖値を下げるためにたくさんのインスリンが必要 

つまり、

インスリン感受性が増加すると、血糖値を下げるために必要なインスリン量が少なくて済む ということになります。


インスリンが過剰に放出されることで血中のブドウ糖が脂肪に変換される量が多くなりますので、

インスリン感受性が増加することで、インスリンが過剰に分泌されることの抑制に役立つ、つまり脂肪蓄積の抑制に役立つと考えられます。

オリーブオイルと血糖値についてのまとめ

ここまで説明した内容をまとめます。

・高血糖や血糖値の急上昇(インスリンの過剰分泌)は血管の老化や肥満に問題があります。


それに対して、オリーブオイルには以下の効果が期待できます。

・消化を遅らせることで血糖値の急上昇を抑制する効果
(※オリーブオイル自体の効果ではなく、油脂としての効果)

・インスリンの効きやすさをアップさせ、インスリンの過剰分泌を抑える効果
(=ブドウ糖が脂肪に変換されすぎないように抑制する効果)

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まとめ

高血圧/悪玉コレステロール/血糖値について、オリーブオイルには以下の効果が期待できます。

悪玉コレステロールを減らす(高血圧対策)効果

  • オレイン酸による悪玉コレステロールを減らす効果(善玉コレステロールは減らさない!)

  • ポリフェノール、ビタミンA、ビタミンEの抗酸化作用により、
    悪玉コレステロールが酸化しにくくなる環境づくりに役立つ効果

  • β-シトステロールによる、腸からのコレステロール吸収を防ぎ、血中の悪玉コレステロールの割合を下げる効果

血糖値急上昇(インスリン過剰分泌)抑制効果

  • 消化を遅らせることで血糖値の急上昇を抑制する効果
    (※オリーブオイル自体の効果ではなく、油脂としての効果)

  • オリーブオイルが持つインスリンの効きやすさをアップさせる作用により、インスリンの過剰分泌を抑える効果


エクストラバージンオリーブオイルは一般的な食用油より高価なものではありますが、

健康に良い成分が豊富という意味ではコスパが良いように思います。

普段の油の一部を置き換えてみるなど、エクストラバージンオリーブオイルの摂取機会を増やしてみてはいかがでしょうか?

>>【オリーブオイルの通販】人気のおすすめ5選!口コミや特徴を紹介



オリーブオイルを加熱することに抵抗がある方や、揚げ物で使用したことがない方は以下の記事も参考にしてみてください^^

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